エンデューロレースで走りたい‼
そんな私のワガママでCRF250Rから入れ替えとなったチームの車両YZ250X
昨今のコロナ禍で楽しみにしてたレースも中止で私たちチームも予定が狂いまくり…そんな中、この界隈では全国的に有名なCGCハードエンデューロ選手権の信州大町大会が10月に開催予定だったがまさかの7月にスライドした。。。今シーズン中にはデビューしたい!と思ってたハードエンデューロ
うん。出…てみようか! 色々不安だけどイケルイケルダイジョウブ
しかし、ノーマルのYZ250Xはいくらエンデューロ向けな車両とはいえそのままレースに出るには色々と不安が残ります。モチロン性能的な面では言う事なしなんだけど、ガード類が皆無であり乗車ポジションがまんまモトクロッサーなんでレース中に足を付いたりマシンを押したりエンジン再始動(YZはキックオンリー…)するにはかなりキツイものがあるのです💧
その辺りをエンデューロで戦えるモノにするべく私たちのYZ250Xに実行したチューニングやカスタムを纏めてみました!
ガード類
ノーマルのYZ250Xはガード関係に関してはほぼ丸腰です。しかしアフターマーケットから様々なパーツが出ているので用途に合わせて選びたい放題なのは良い所でありますね
しかし一気に揃えると金額もそれなり…なのでチームの皆と協議して必要最低限、ガードが無い事で重大なトラブルに直結するような所に重点を絞ってチョイスして行きます
ハンドガード
ACERBIS:トライフィットハンドガード
お山とエンデューロを愛するチーム内ではクローズドタイプのハンドガードが当たり前。その中でもCYCRAのハンドガードがよく選ばれてました。しかし問題もあって…確かに強いんだけど重いんだコレが。しかも強過ぎて転倒すると高確率でハンドルが曲がる!転倒でハンドガードに掛かった力が全てハンドルに集中しちゃうんですよね。
折角の軽量なYZ250Xなんだから重量増は極力抑えたいしそんな硬くなくても良い。それで全て樹脂で構成されたACERBISのトライフィットを採用しました。
樹脂だからって弱いなんて事は無くしっかりとガードしてくれてます。それでいてメチャクチャ軽い!左右合わせてもCYCRAの片側だけより軽いんでないかな(笑)
そして何よりカッコ良い ココ重要
フレームガード
ACERBIS:Xグリップ フレームプロテクター
フレームを傷物にしない為だけのガードは別に要らない。しかしコレはリアブレーキのマスターシリンダーも巻き込む形状だからブレーキマスターガードにもなるんです♪
それともう一つ、オフ車で重要な【踝グリップ】オンロードで言う所のニーグリップと同等なくらい重要なこの動作でこのフレームガードの黒いゴム部分が非常に良く働いてくれてガッチリとフレームをグリップ出来ます。
そして何よりカッコ良い ココ重要②
アンダーガード
ACERBIS:スキッドプレート
DRC:スキッドプレートフォーム
アンダーガードは走るステージやその人の好みで大きく分かれる所だと思います。大きく分類して素材=アルミor樹脂、形状=フルアーマーor一枚板このパターンに分かれると思う。
そこで私らのアンダーガードに対する要求は「軽くて広範囲をガード出来るモノ」そうと来ればもうコレしかなかった。またACERBISかよ!
まぁACERBISを贔屓してるのは事実だけどそれ関係なしにコイツはまさにパーフェクト。軽いしウォーターポンプにクラッチカバーも保護。その上ガードの範囲はリアサスリンクにも及ぶと来た
そして何よりカッコ良い ココ重要③
あとはDRCのスキッドプレートフォーム。要は耐熱のスポンジでアンダーガードとフレームの隙間に詰め込みます。コレはマディーコンディションで走る時の必需品
以前CRF250Rでマディーなコースを走った時、フロントタイヤが巻き上げた泥がこの隙間に堆積して終いにはあまりの重さに脱落した事があります。当然その分マシンも重くなるんだからアンダーガードとはセットで考えた方が良い逸品ですね。
ラジエーターガード
ZETA:ラジエーターガード+ラジエータースリーブ擬き(網戸の網
ノーガードのラジエーターはすぐ曲がりますからねー!コレは転倒が前提の乗り方するなら必需品でしょう。本当ならエンデューロエンジニアリングとかのえげつないヤツが良かったんだけど…今回は安さに釣られてZETAにしましたw
まぁ、それでも補強リブマシマシな3mm厚のアルミなんで無いよりは良いだろう…
あとは網戸の網、コレをルーバーに被せました。元はと言えばムースレーシングのラジエータースリーブというモノがあるんだけど結構なお値段がするのよね💧そこでほぼタダでラジエータースリーブを模したモノを作ったというワケですw
目的はズバリ、コレもマディ対策でラジエーターが泥で詰まって冷却出来なくなるという事態を未然に防ぐ為です。どんだけ泥にトラウマ持ってんだw
フロントフォークボトムガード
JFG Racing:フロントフォークガード
ヤマハ車に使われているKYB製フロントフォークの弱点はボトム部の肉厚が薄い事。もしココが潰れたりなんかするとフロントフォークがオーバーホール不能な状態に陥ってしまいます。。。
ボトムの薄肉部分が障害物に接触する可能性のあるシチュエーション、洗い掘りのV字谷を突き進む時やガレ場を走るなんて場合はコレ無しじゃ怖いっすね(お財布事情的に
チェーンガイド
全部が樹脂製のヤツ: 詳細不明(最初から付いてた
このYZを購入した時から付いてました。ノーマルでは金属のケーシングの中に樹脂のガイドが仕込まれる…そんな物だと思います
しかしココが岩とかにヒットすると金属製ならそのまま曲がってしまいチェーンやスプロケに接触してしまう恐れがあります
そこでヒットしても曲がりっ放しにならない総樹脂製のモノにしたいと考えてました。最初からコレ付いててラッキーw
マシンを用途と身体に合わせる
性能の尖った競技車両であるYZ250Xは素人が扱うにはちょっとキツい。だから思った通りに操作出来るように各部を調整する事は本当に重要。そしてエンデューロでは転倒なんて当たり前でマシンを押したり斜面でエンジン再始動にキック降ろすのも日常茶飯事だ
そんな用途に合わせて各部を最適化して行きます♪
Lowシート化
中身は多少違えど基本的な部分はモトクロッサーであるYZ250と変わらないのでシート高は結構高め。私の身長は174㎝程なので転倒さえしなきゃ問題ないんだけど当然転ぶしチーム員は身長だって様々。そこでシートフォームを大胆に削って足付き性を向上させました
快適に座れるギリギリの所まで削り込み。タンデムシート風に後方に段差を持たせたのは停止状態でスタックした時にボディーアクションで後退させたいなんて時にケツを押し当てて反動をマシンに伝え易いようにという目論み
こんなに削ったモンだから前方には傾斜が付いちゃってモトクロス的な前乗りが凄くやり辛いというデメリットはあるけど、それを承知した上でもメリットの方が上を行きます
スタックしたり斜面で止まって藻掻いてる時なんてホント雲泥の差なくらい操作性が向上しましたね。2スト250ccの鬼加速でも後方の段差に助けられて身体が遅れることもかなり軽減されました
ハンドル交換
ノーマル→ZETA:SX3 super-Low
とにかく異常なまでに低いハンドルです(画像の下の方ね)ノーマル比で約20mmはダウンします。しかし先述のLowシートで着座位置が低くなった分を丁度良く補正された感じになりました
この低さのおかげでハンドルに上半身を被せ易くなった上にシートと併せてライダーの乗車位置が低くなった事で鬼加速でも身体が遅れない!そして普通なら捲れそうな激坂にシッティングで突っ込んでもフツーに登っちゃう…もうクセになりそうな最高に楽できるセッティングですw
しかし勿論デメリットもあります。ハンドルが低い事でスタンディングがやり辛く、激坂下りで後方に重心を持って行きたい時にハンドルが遠くなる。。。この辺りはメリットとデメリットを十分に理解してある程度割り切る必要がありますね
レバー調整
ZETA:ピボットレバー(クラッチ・4フィンガー)
レバー位置の調整。コレは本当に重要。
エンデューロでは1フィンガーで絶え間なく繊細な操作が必要になります。だから幾らでもクラッチは軽い方が良い。そこでクラッチホルダーを限界まで内側に寄せて長い4フィンガーレバーの端の方に指を掛ける事でテコの原理で軽く操作出来るようにしてます
ギアが入った状態からキックでエンジン始動させるにはクラッチレバーは長くストロークさせて確実に切れてなきゃいけない。しかしレバーは少ないストロークで軽く操作できつつ指側に近付けたい。そんな矛盾した要求の最適な妥協点を探り当てるのに調整機構が増えるこのレバーが必要不可欠でした
激しい転倒でハンドガードが回っちゃった時もこのレバーなら逆側にも折れてくれるので破損リスクも減るのが有難いところ
ちなみにブレーキレバーはノーマルでも短い上に良く出来てるピボット機構なのでそのままで良い感じでした
ステップの角度調整
コレがノーマルのステップでノーマルの位置ですね。コレを私好みに調整します。
調整機構なんてありません。しかし…
ステップホルダーを加工してストッパーの当たり面にボルトを入れる事で角度の調整が出来るようにしました。角度調整にはボルトの頭の厚みを変える事で行います。ボルトの頭を削ったりワッシャーを追加したりして。
何故そんな事をするかって??
コレが加工後のステップ角度。随分と後退して傾いてますね!
この加工によって得られる効果というと…
構造的にステップ外側だけが高くなるのでステップを踏み込むだけで踝グリップが勝手に出来ちゃうのです!角度によっては痛いくらい足がマシン側にグッと入ります。
ハード寄りのエンデューロでもステップに荷重掛けてマシンを抑えるのは本当に重要でそれはトラクションにも直結する。とは言っても低速でガッタガタな所ばっか走るからつい足が離れちゃうんですよね。踝グリップを意識する余裕もないからせめて勝手に踝グリップ出来るように…って、無いウデをカバーする為のチューニングでもありますwww
しかしコレはマジでエンデューロには効果絶大ですよ♪
ちなみにモトクロスではココに角度付けるのは邪魔なだけだと思います。適材適所なチューニングを!
その他、車体周り
ガード類と人にマシンを合わせるセッティングは完了した!でもそれだけじゃもう少し足りない。小技やマナー的な部分がまだだ。お次はその辺りの紹介
スタックベルト
TREK FIELD:スタックベルト(90CM)
もはやコレは常識?エンデューロでは装着する事がマナー的なモノです。要はスタックしたマシンを引っ張り上げる為の取っ手ですね。
別に自分では使う事無いだろうけど、レース中にスタックして後方で渋滞が発生するような場合にマシンの排除などで他の人の手も借りたりする。その際に持つ所の少ないエンデューロレーサーを迅速に 排除するのにコレが有ると助かるんですよね。
自分以外、周りの人の事を思うなら装着は必ず!
リザーバータンク
市販車のトレールマシンしか見た事ない人からしたら「マジか」と思わるかもしんないけど(私はそうだった)レーサーマシンにはリザーバータンクが無いです。ホースから出たクーラントは垂れ流しです。
しかしスタックして藻掻いたりすると走行風が無いからオーバーヒート気味になり易くソッコーでクーラント吹きます…そんな時にコレがあれば蒸気になったクーラントをある程度なら復水出来るし、水温下がってクーラント足りなくなれば勝手に戻って行くし。
スタック上等なエンデューロを走るなら是非とも装着したいアイテムです。ちなみにコレはホームセンターで売ってるPP(ポリプロピレン)製品の250㏄保存容器です。
キャブレターのバキュームホース加工
キャブの両脇から伸びてるホースに三つ又を咬ませて追加したホースを燃料タンク側、つまりは上の方に伸ばします。何でこんな事するかって言うとノーマルだとこのホースの端部はリアサスリンク近辺で大気開放されています。水の中を走っててココが水没する状況だと水を吸い上げちゃう可能性があるんですよね。
そこで分岐を作って水没しない部分でも大気開放させる事でキャブが水を吸う事態を回避出来ます。キャブとは言ったけどミッションのブリーザーホースも同じ所で大気開放なのでコチラにも分岐を作って上の方で大気開放させてます。
川渡りやドロドロの谷地で埋まる事まで想定したマシン作りですw
ハブ毛
ハブが、綺麗になるよwww
もうコレはおふざけでありチームの象徴的な部品ですw(無視してくださいスミマセン
最後に
如何だったでしょう?コレが私たちチームのYZ250Xに行った第一段階のチューニングです。欲を言えば前後ブレーキディスクにもっと厳ついガードを奢ったりフライホイールを重くしたりリアブレーキの追加ハンドブレーキレバーを入れたり…なんてやりたい事は尽きませんw
しかしウチらは所詮お気楽エンジョイ勢の素人。楽しみながらマシンと人間が共に成長して行けたらな~って感じなんで今後もユルユルとアップデートして行きます♪