先日、近所の林道を走りに行った際にやらかしましたw
走り慣れた場所っていう事と気温30℃オーバーの晴天。
馴れと油断が招いた出来事でしたね…
熟練者には鼻で笑われそうな出来事ですが、オフロードバイクの世界に入ったばっかり…とかこれから走りたいと思ってる方には是非とも反面教師として参考にしてみて頂きたい出来事でした(;´∀`)
初めに、私が林道を走る上で気を付けてる事
先ずは声を大にして言いたい「林道はなるべく複数人で行きな!」と。まぁそんな事は多方面でよく言われる事ですよね…
しかし私は仕事の都合上平日の休みが多くてなかなか友人と合わせにくい。それに加えコッチ方面の友人は離れて暮らしてるヤツが殆どなので林道アタックは基本的に一人で行動してます。
当然そうなると一人では脱出不能になった時のヘルプが居ない。マシントラブル・崖落ち・怪我などが発生しても当然一人で対処しないといけません。リスクが高いけど走りたい…そこである程度の制限を設けて走っているのです
①単独での林道アタックは自宅から半径10㎞圏内でしかやらない
②崖のある所、転落するリスクのある場所には行かない
③マディが予想される日は行かない
この3つだけは頑なに守ってます。山に深入りし過ぎて遭難だけは避けたいところ。
これさえ守ってれば最悪、バイクで帰れなくなっても自力帰還が可能…いや。本当の最悪は身体が身動き取れなくなる事だけど、それでもまだこの範囲なら知人を呼べる。
今回はその最悪の一歩手前。バイクを置き去りにして身1つで帰宅する事になってしまった出来事
ベストコンディション!からの罠
その日はもう気持ちの良い晴天だった。4日前くらいまで雨だったけど猛暑の晴れが続いたから路面はベスコンでしょ!
いつもの林道装備にハイドレーションバッグをプラスして飲料水は1.5L
タイヤは後輪の空気圧0.5キロ
準備整えて意気揚々と走り慣れた林道へ行くのでした。
林道は予想通りドライのベスコン!倒木を切っ掛けにしてジャンプしてみたり調子よく山の奥へ奥へ♪
山頂から先は2回ほど谷に降りつつ別の長い稜線に移るんだけどその1回目の谷への入り口が地獄への入り口になろうとは…
山頂はハゲ山で砂埃が舞うくらいのドライ路面でココまでは良かった
そのまま第一の谷間に向かうと異様に路面がヌメってる💧
しかも片方は谷になってるシングルトラックでタイヤを乗せられる幅が30㎝程度しかない激下り…こんな状況を察知出来るなら引き返すのにココまで完全ドライ。引き返せない所まで来てこの状況とは完全にトラップだよ💦
谷底に到着した時点で既にタイヤが泥で目詰まりしてる
装着してるタイヤはセローでは定番のツーリスト。このタイヤ、マディではこうなっちゃって使い物にならないんだよなぁ…
ヒルクライムにトライするも案の定登らず。スロットル全開・ステップ荷重もバッチリの状態でタイヤが空転したまま、スタンディングスティル状態で失速停止…もうこんなん笑うしかない(笑)
ライン外して脇の方を通すもさっきより登らず。ジグザグに切り返しながら登ろうにもヌルヌル過ぎて止まってすら居られない。結局5回くらいリトライするも歯が立たず!
引き返そうにも来た道の方がもっとヤバい。正規ルートは諦めました
見極めからの決断
正規ルートでの帰還は無理と判断してヒルクライムを迂回出来ないか別のルートを探しました。
スマホで地形図を確認すると谷を縦走すれば破線ではあるけど地図上にルートがある!それか稜線まで上がればヒルクライムの先に出られそう♪
一途の希望を持って谷間を縦走し何とか稜線に辿り着くも、結果的にそこには絶望しか無かった…
地図上の破線ルートには顔がやっと出せる位まで高く成長したワラビが群生していて前進困難。しかも見たところ破線ルートもそこそこの斜度な上にワラビに覆われてる…コッチは断念。
ならばとヒルクライムの先へ迂回しようとするもコッチもワラビに覆われていてその下の見えない所には無数の倒木が転がってる…よく見るとその先は前進不能レベルな森と無数の倒木に塞がれていた。前進は無理だ。
反対側の谷には斜面と言うよりか崖レベルの斜度で降りる気さえ起きない。
うん。積んだねコレw
そして、バイクを動かすのに夢中だったけどここで身体の異変に気付きました。
「暑い…」そう。この日は気温30℃オーバー。熱中症になりかけてました。
限界までサウナに入った時と同じ感覚にプラスして脈拍も呼吸も早い。尿意は無かったけど確認の意味で尿を出してみると濃いめのオレンジ色…コレはヤバい。
山奥に熱中症になりかけの馬鹿が独りきり…少し命の危険を感じましたね。
思えば知らない稜線に登ろうとガンバってた時点で正常な判断が出来ていなかった。ここで冷静さを取り戻して飲料水の残量確認、塩分タブレット摂取、プロテクター類を外して沢の水で体を冷却。余計な荷物はセローと共に山に置いて歩いて降りる決断をしました。
ギリギリの所で正しい判断が出来た…おかげでまだこの一件は妻にバレてないwww
セロー回収作戦
オフブーツで山歩きしたのが災いして右足が激しい靴擦れになっていたので、怪我の養生と路面状況の回復を見込んでセロー回収作戦は4日後とした。
それまではホント気が気じゃなかったなぁ…
山登りなど今までしようと思った事無く知識もなかったので、先ずは体力の消耗を抑える山の歩き方を調べたり職場の山好きな人に聞いたり。それもまた良い結果に繋がりましたね。
作戦決行当日、まだ涼しい朝のうちから麓にトランポで乗り付けて山登り決行
両足とも靴擦れ防止にガチガチにテーピングして麓で丁度良い木を2本拾って杖に。焦らずゆっくり登って体力を温存しながらセローの元へ…
セローは4日前と全く同じ姿で待っててくれた。セローに遺してきた装備を全て着用しまたあのヒルクライム地点へ…路面状況はあの時より多少マシ?な程度でヒルクライム一本目は前回同様に失敗して絶望感に苛まれる(´;ω;`)ウッ…
もう1本ヒルクライムやってダメならロープと滑車を駆使して行くしかない…ダメ元で後輪の空気圧を限界まで下げる…下げる⁉
オイ!0.8kも入ってるじゃないか!!
あぁ…最後に空気圧調整したのは涼しい朝方のガレージの中だったな。。。
炎天下で内圧が上昇してたんだね。もう俺のバカ!バカ‼( ノД`)
空気圧0.3kまで下げたらすんなり脱出できたよね。
ヒルクライムのドツボにハマった初期の時点で空気圧見ておけばよかった…結果論でしかないけど、熱中症なりかけの状態で焦ってたからそこまで頭が回らなかったんだろう。
しかしまぁ、無事に脱出できて良かった。ホント良かった!!
身体もバイクも無事だから良かったけど、コレは本当にラッキーだった。何か失っても可笑しくなかったと思ってます…身体あってのバイク趣味です。私のように一人で走ってる人はホント、慎重にお願いします💦
余談
山で遭難しかけたあの日、いつもなら煩いセミの鳴き声を聞かなかったしこの山で当たり前に出現する鹿を一切見なかった。虫にも刺されなかった。それどころか生き物の気配が薄くて気味が悪かった。
ところがセロー救出の日はセミが煩い!鹿もバンバン出現してビックリする!蚊に2ヶ所刺されてヒルもワラワラ纏わり着いてきてホント最悪だった!!
??でもそれって山の中なら普通だよね…
生き物の気配がしなかったあの日はお盆の最終日…